韓国小説「82年生まれ、キム・ジヨン」

2024年6月29日土曜日

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 こんにちは、Nami(@nami_mercaru)です。

韓国で100万部の大ベストセラー、映画化もされている、小説「82年生まれ、キム・ジヨン」を読みました。
 

■読んだきっかけ

本を手に取ったきっかけはTwitterのタイムラインで見かけたことでした。韓国の小説はほとんど読んだことがなかったし、韓国に行ったこともなければ特に韓国という国への思い入れもなかった私。日本とすぐ近くの国、韓国ですごく売れている本なんだということと、女性の人生についての話なんだな、ということしかわからなかったけど、なんとなく、すぐに読んでみたい!と興味を惹かれました。82年生まれ、という年代が自分と近かったことも惹かれた理由の一つ。

■あらすじ

物語は、夫と幼い娘との3人で暮らす33歳の女性キム・ジヨンが、精神的に追い込まれておかしくなってしまった?と思わされる場面から始まります。
  
外国の物語は人物の名前が覚えづらくて話に入り込みづらい点が、私は昔から少し苦手です。この小説でも、それは同じで、主人公キム・ジヨンとその夫や母親、姉の名前が混同…読み進めるうちにやっと少しずつ覚えられてきました。
文章は読みやすく、のめり込んであっという間に読み終わりました。

 

韓国独自の文化に関わる単語にはカッコ書きで注釈が入っていて、理解を助けてくれたし勉強にもなりました。例えば、「トッポッキ(餅を甘辛い調味料で炒めた軽食で、子供の買い食いでも人気のメニュー)」といった感じ。単語の直後に説明があるところも、注釈が章のあとにまとめて書かれていたりする形式よりもわかりやすいです。

始めに現在の場面が語られた後、話はキム・ジヨンの出生時に遡り、そこから時系列に彼女の歩んできた道が綴られています。
 
祖母や母親の時代とは明らかに違う(マシになっている)ものの、悪気なく、時に誰もが気が付かずに、男尊女卑の思想が根深く残り続けていたことがわかります。学級委員は常に男子だったこと、姉が大学進学の時に結婚出産をしても続けやすい将来を考えて最初の希望とは違う道を選択したこと、会社の中でも評価のされ方の違い、出産後に仕事をセーブするのは当然のように妻であったことなど。
ああ、日本も同じだな、と思うことや、韓国ってこんななんだ!日本より酷い。と思うことの両者がありました。これは小説だけど、きっと現実の社会が巧みに表現されているだろうなということが伝わってきます。ちなみに、「キム・ジヨン」という名前は韓国で1982年に産まれた女の子の中で、一番多い名前だったことから決まったそう。

 

専業主婦が夫の収入で高価なコーヒーやランチを楽しんでいることを「ママ虫」と呼ぶスラングが韓国で生まれたそうで、主人公キム・ジヨンを傷つけるエピソードとしてこの言葉が登場する。日本でもありえそうだし、あったら大炎上だろうなとか、その辺りはとても身近に思えました。
 

■感想

私は男尊女卑に対する不満とか、特になく大人になってしまった気がします。女の子は奢ってもらることが多くてラッキーだなとか、女だから出世競争にも乗らなくて済んで気が楽だとか、専業主婦もやぶさかじゃないとか思っていたし。
男女はそもそも平等じゃないし、平等じゃなくていいやと思っていました。

そんな私なのにもかかわらず、この小説はズシンと重く心に残りました。そういう私の思想自体が、何かに汚染されているような感覚…  悪気なく、刷り込まれてきた女性蔑視の考え方に加担しているのかと思えてきて恐ろしくなりました。母親として、子ども達にどういう考え方を教えていくのかという課題にも繋がります。
 
主人公「キム・ジヨン」の母親「オ・ミスク」の姿も印象深かったです。「キム・ジヨン」世代よりさらに厳しい時代背景を生きながらも、隠し不動産を持ち、投資をしたり、夫の事業も良い方向に導くところがかっこいい。この小説では登場する女性たち(主人公の母親、祖母、姉、など...)がみなフルネームで登場するのに対し、主人公の夫以外の男性たちには名前がない。このことについて「男たちに名前など必要ないーーーー強烈なミラーリングである。」と解説に書かれていて、数年前にヒットしてママ友地獄を描いたドラマ「名前をなくした女神」を思い出しました。
 

台湾、タイ、ベトナム、中国、イタリア、チェコ、フランス、インドネシア、スペイン。本書はこれだけ多くの国での出版が既にされていたり決まっているそう。それほど世界の女性たちの共感を集める本なのですね。日本でも多くの人が読んで課題認識を持つことは有意義だと思いました。

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