好奇心について学べる本「子どもは40000回質問する」(イアン・レズリー)

2024年5月21日火曜日

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こんにちは、Nami(@nami_mercaru)です。

好奇心についての本「子どもは40000回質問する」の読書メモ。
この本は「好奇心」とは何か、研究結果や事例を元にその役割、仕組み、大切さについて詳しく書かれている本。子育てをする上でも「好奇心」について学んでみたかったので、とても勉強になりました。著者はイアン・レズリーさんというロンドンの作家。

以下は訳者あとがきより。

好奇心は人間らしさの証であり、人生に大きな実りをもたらすかけがえのない宝物であるー本書はそんなのことを気づかせてくれる貴重な作品。
 
・好奇心の本質を探るところから出発し、歴史を紐解き、多くの事例を交えながら好奇心とは何かを論じるユニークな作品

 

■ 好奇心とは何か/好奇心の特性

人間は他の霊長類と同じように食/生/安全の3つの基本的欲求によって突き動かされている。でも人間にはもう一つ、ほかの動物にはない「第4の欲求」があるり、それが、好奇心。純粋な意味での好奇心は人間にしか見られない。星を見上げてあれはなんだろうと疑問に思うのは人間だけなんだそう。
 
人間の好奇心は個性ではなく状態であり、つまり好奇心は環境によって大きく左右される。
したがって、私たちは生き方次第で好奇心をかき立てることも、台無しにすることもできる。
 
好奇心は放っておかれるとしぼんでしまう。自分でも気づかないうちに、退屈で頭の鈍い人間になってしまう。そうならないようにするには、何が好奇心を豊かにし、何が好奇心を枯渇させるのかを理解しなければならない。

自分がいつまでも好奇心豊かな人間でいたいと思うと同時に、子育てにおいて子どもたちの好奇心を上手に育みたい、せめてしぼませることのないようにしなくては!と思う。

 

■「拡散的好奇心」と「知的好奇心」

好奇心には2種類ある。

①拡散的好奇心
未知なるものを求める強い意欲のこと。
子どもは拡散的好奇心によって胸を踊らせる。それが開くことのない探究心の源になる。炎に手をかざしたらどうなるか、土塊を手に入れ口に入れたら?、子どもたちはしきりに知りたがる。大人になると今度は新たな情報や経験を絶えず求めるようになる。子ども時代に海の岩場の水たまりにどんな生き物がいることを夢中になったように、大人はTwitterをチェックせずにはいられない。

知的好奇心
じっくりと時間をかけて長編小説を読んだり、すでに廃れた言語に没頭したりと目先の利益にはつながらない関心事を探求しようとする好奇心。


2つの好奇心の違いはそこに専門的な知識の積み重ねがあるかどうか。
拡散的好奇心が成長し、じっくりと時間をかけて長編小説を読んだり、すでに廃れた言語に没頭したりと目先の利益にはつながらない関心事を探求しようとするようになる。
 
特に意識はしていなかったけれど、今まで好奇心と言うとどちらかというと「拡散的好奇心」のほうをイメージしていたように思う。「拡散的好奇心」がなければ「知的好奇心」が生まれることもないので「拡散的好奇心」をないがしろにはできないけど、ある意味危険だったり厄介だったりすることもあるのが「拡散的好奇心」なのかな、と思った。
「拡散的好奇心」を「知的好奇心」に発展させてこそ、本当の実りになる、と私は理解しました。
 

■ 効率を犠牲にすること

好奇心旺盛な人々は冒険をし、さまざまなことに挑み、あえて効率を犠牲にする。
彼らは今日学んだことが、たまたま次の日に役に立ったり、問題をまったくちがった角度から捉えるきっかけになったりすることを知っている。先を予測するのが難しい環境であればあるほど、一見無駄に思われそうな幅広く深い知識が重要になる。
 
スティーブジョブズの有名なスピーチ「Connecting the dots」にも通ずるなと思った「あえて効率を犠牲にする」というところ、気に留めておきたい。何かと効率、要領、生産性、といったところを重視しがちな思考が自分にはあると思うので。
 

■ 質問は奥深い技術

心理学者ミシェル、シュイナードの子供の問いに関する記録、に基づくハーバード大学教育学教授の研究によると、子どもは2歳から5歳の間に、「説明を求める質問」を計40000回行うと推定される。
 
質問は奥深い技術であり、質問するには、
・第一に、己の無知を自覚しなければならない
・第二に相反するさまざまな可能性を想像する能力を発揮しなければならない
・第三に、他人から学ぶべきことがあることを知らなければならない。
それは「人間の子どもにとっても自然に発達するような単純な能力ではない。環境次第で花開くこともあれば、しぼんでしまうこともある繊細な能力」とのこと。
 
子どもたちに日々沢山の質問を投げかけられて、正直うんざりしちゃったりするけど、子どもがこのような奥深い、繊細な技術を使えていると思えば喜ばしくも思えてくる。

 

■ 学習と知識について

とある教育コンサルタントの主張「学習の手助けは不要です。子どもたちは生まれつき飽くことのない学習意欲がありますが.. それは大人たちが彼らの教育に取りかかり、学業を無理やり押しつけようとした時点から消失し始めるのです。」
が出てきたときには、一瞬「そうなのか..」と納得しかけてしまった。
でも、そのあとすぐに本ではこの主張を真っ向から否定しいていた。
 
『だがこの認識はまったく正しくない。好奇心が失われるのは、親や教師から知識を与えられないときだ。ほんの少しの興味が湧いても、十分な背景知識がなければ「自分には向いていない」と思い、投げ出してしまう。知識こそが、好奇心を持続させる力なのである。』
  
これを読んで、やはり一定の学業は子どもの気が向かなくてもやらせておくべきなんだな、と日々小学生の息子の自宅学習付き添いに苦労している私にとっては励みになった。(勉強ってやる気のない子に無理やりやらせても意味ないんじゃないかな...とか心が折れそうになることがしばしば。)

マタイ効果」というある意味怖い効果についても触れられていた。
知識が豊富だとますます知識は増え、知識が乏しいと一段と乏しくなる。
これを読んで、経済的な貧富の格差の拡大が日本のみならず多くの国で社会問題になっているけれど、それと合わせるように知識もある人とない人では差が開く一方なんだな、と思いをはせる。なんとなく感覚的に感じていたことを言葉で定義されると残酷だとさえ、思う。
  
「知識を積み重ねることは充実した長期記憶を構築するために必要であって、時代遅れでも何でもない。知識こそが、私たちの洞察と創造性、好奇心の源泉なのだ」と、まとめられていた。
 
最近は知識詰込み型の教育が批判され、「自分で考える力」「創造する力」が重視されているけれど、自分で考えるにも創造するにも、確かに知識がないと始まらないんじゃないかなと思う。
 

■ アイディア創出

『優れたアイディアというものは、頭をひねったところで生まれない。それは数ヶ月、数十年にわたる人生の積み重ねから湧き出すものだからだ。一瞬のひらめきの産物であるかのような印象を与えるアイディアも、じつは長い時間をかけて養われた思考習慣の結実なのだ。
ある人にとって個々の事実は点在する知識にすぎない。だが別の人にとっては、知識は鎖の輪の一つである。』

これは、最近読んだ別の本「仕事は楽しいかね?」にも全く同じことが書かれていたなとピンと来た。こちらの本では、コーラの発明やポストイットの発明エピソードに触れられていたのだけれど、これらの大発明をした同じシチュエーションにいたって、ほとんどの人間はヒット製品を思いつくことはできないだろう、ということ。
 

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